再開…そして邂逅!

私は、1年ぶりにAさんに会えることを楽しみにして、西荻窪の駅前に行きました。するとAさんから電話がかかってきました。

Aさん:斉藤か?西荻窪の駅前の○○っていうホテルの前にきてくれ。

少し駅前を探すと、確かに指示されたホテルがありました。でもどう見てもラブホテルだよなと思ました。後ろからAさんが声をかけてきました。

Aさん:斉藤、久しぶりだな!

斉藤:お久しぶりです。元気ですか?

Aさん:とりあえずホテルで休もう。

斉藤:?

Aさん:ビジネスホテルを取ったつもりが、ラブホテルにも使われているみたいだ。
     そういう趣味はないから、入って休もう!

1年振りの再会がラブホテル?しかも男同士で!笑うしかないのですが、Aさんとの再会はそんな感じで始まりました。

Aさん:斉藤、お風呂入ってもいいよ。

斉藤:いやいやガラス張りで丸見えじゃないですか?笑

Aさん:ネットではビジネスホテルだったんだが…

Aさん:最近はどうだ?

斉藤:そろそろフリーターを辞めようかと、、、そんな感じです。

Aさん:ちょっと飲みに行くか?

私たちは、西荻窪の居酒屋へ移動しました。

Aさん:実は、いま円形脱毛症になっているんだ。ほれ。

Aさんは、髪の毛を分けて円形脱毛症を見せてくれました。

斉藤:それ笑えないですよ。マジですごいですね。3つありますよ。

Aさん:この1年間、苦しんだ。
斉藤とバンドをやると言ったのに、急に置いて帰ったこともあるし、家もゴタゴタでな。斉藤には悪いことしたとずっと思ってたんだ。

斉藤:別にいいですよ。

Aさん:実はあさって東京で受験がある。東京大学だ!
     センター試験は通ったので本試験だ!

斉藤:えぇぇぇ、東大なら僕も名前は知っています。日本一の学校ですよね?

Aさん:東京大学を目指している。ダメだったら一橋大学だ!

斉藤:名前は聞いたことがありますが、、、、

Aさん:斉藤!今日は言いたいことがある。一緒に東大に行こう!法学部に行こう!

斉藤:ちょっとなに言ってるのか分からない・・・
    勉強なんてやったことないですよ。

Aさん:だからやるんだ!
     勉強をやったことがなければ、斉藤の頭はスポンジだ!
     あっという間に吸収するかもしれない!

Aさんは本気で言ったのかどうか分かりません。ただ私から言えることは、1年前の悪ふざけばかりしていた頃のAさんと、その時のAさんは全くの別人だったのです。世間では不良と呼ばれていたかもしれないAさんが、勉強をしてめちゃくちゃ格好良い大人に見えたんです。

私は、純粋に「勉強するとこんな格好良くなれるのか!」と衝撃を受けました。

勉強するとこんな格好良くなれるのか!

小さい子どもたちが、プロ野球選手やサッカー選手のプレーを観て、野球選手になりたい、サッカー選手になりたいと思う瞬間があると思います。僕もああいうスターになるんだと心に決める瞬間。私は、まさにその衝撃と同じものをAさんから受けたのです。

私は、そのときに決めました。Aさんと一緒に東京大学に行くと!

これが、私が勉強というものに出会ったきっかけです。偶然の偶然の偶然なのか。

人生はまったく分からないものです。専門学校で知り合ったAさんと出会い、エスカレートしていく遊び、そしてAさんと別れ、またAさんに会い、「おまえ勉強しないか」と勉強を勧められる。

教育者の森信三先生は、人の出会いについて次のように言っております。

人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。

Aさんは、私より5つ年上でしたから、10代の遊びたい盛りの私の気持ちを完全に理解していたのかもしれません。だから一緒になって遊びまわり、そろそろ遊びにも飽きる頃を見計らって勉強を勧めてくれたのかもしれません。

つづく

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